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2019年度の活動

▼第5回 グローバル時代のMOT研究会 5月11日(土)開催案内 ――――――

                                      主査 西村 泰一

 イノベーションという言葉の唱道者のシュンペーター(Schumpeter)は、「経済発展の理論」の中で、経済発展は、人口増や気候変動等の外的な要因よりも、内的なイノベーションが主要な役割を果たすとしています。

 いま、世界の大きなイノベーションのうねりの中、日本だけが失われた10年が30年となろうとしており、やがて50年ともなり兼ねません。政府は、科学技術基本計画として、第5期の25年間を迎えようとしており、すでに100兆円を投下して来ましたが、iPS細胞くらいしか見るべき成果がありません。これは官とノーベル賞報道に明け暮れるメディアの、基礎研究至上主義で、出口のないリニアモデルの失敗とする見方が出始めています。

 

 一方、モノ創りの時代にターゲット・ドリブンモデルで基礎研究を引っ張って来た日本の産業界は、“連続改善というPDCAの罠”に落ち込み、研究開発費のほとんどを試作設計につぎ込んで、技術者もチエンジニアとなり、シュンペータが指摘した“馬車を幾ら改良しても蒸気機関車にはならない”という警告を無視しています。

 この大きな時代の変化の中では、規格品を大量に生産するモノ作りの効率化のみを追う経営から脱し、真のイノベーションこそが求められています。それは、分散した多様な資源を、目的を媒介に集約し、社会的課題に挑戦し、生活を豊かにし、新しい事業を創造しようとする目的工学に繋がります。

今回は、目的に基づいてイノベーションをマネジメントする目的工学、およびイノベーションを駆動するデータ技術者の立場から、講師の長年のご経験をもとにお話をいただき、参加者の方々との意見交換を行います。

 

テーマ:「データ分析はイノベーションを加速できる」

講演者:データ・ケーキベーカ株式会社  代表取締役 唐澤 英安 氏

内容紹介:

 目的工学の源流は、ソニー創業者の井深大が追求した、「明確で筋の良い・強い目標」がイノベーションの駆動力となります。また、“データ分析はイノベーションを加速できる”とする立場から、イノベーションプロセスを桃太郎伝説になぞらえ、最近進化が著しいデータ分析法の紹介を含めて概説して頂きます。特に、講師等が開発し注目され始めた「連環データ分析」応用例としてのコンセプトデザインや、価値創造のマッチングプロセスのデザイン、またデータを視覚化し議論を深め集約する集合知メカニズムの方法等を紹介して頂きます。

業界・学界において、目的工学やデータ分析に興味のある方や、企業経営におけるイノベーション活動に従事されている方等は、是非ご参加ください。

 内容は、(公社)日本経営工学会発行の「経営システム」誌 28巻1号の報文、紺野登+FCAJ・目的工学研究所著「目的工学によるイノベーション実践手法」の第7章「データで議論を可視化する」に沿うものとなります。

会場:東京都市大学渋谷サテライトクラス 五島育英会ビル地下1階、JR渋谷駅南口より徒歩5分(今回は、昨年度までの会場である新宿工学院大学とは場所が異なりますのでご注意ください)

時 間:2019年5月11日(土)13時30分~16時30分(受付は13時より)

▼ 第6回 グローバル時代のMOT研究会 7月6日(土)開催案内 ―――――――――

                                      主査 西村 泰一

 

 近年、各方面の識者が日本発の画期的なイノベーションが生まれていないと指摘している。時価総額など世界の企業ランキングでも、日本の企業は、1990年代まで上位に多数の企業がランクインしていたが、現在では、50位にトヨタが1社のみに留まっている。中国、アジア諸国の台頭による大競争の時代に入り、日本の技術開発が事業化できないケースが相次いだ。近年では、米国を中心とするデジタルビジネスが盛んになると、ビジネスモデル・イノベーションが主流になっており、イノベーションモデルも変化してきた。

 

 日本の製造業が復権をかけて、イノベーションで成功するためには、オープンイノベーション、イノベーション・エコシステムを効果的に活用し、グローバル市場で事業化できることが条件になっている。具体的に、従来のイノベーションマネジメント手法に、近年の新しい変化をどのように取り入れていけばよいか、社内外のコラボレーションを促進・管理するための企業インフラとして、どのようなプラットフォームが必要になるかといった議論が必要である。

 

 今回は、講師の長年のご経験をもとに「イノベーションの仕組み再構築のすすめ」と題したお話をいただきたいと思います。

 

テーマ:「イノベーションの仕組み再構築のすすめ

     - エコシステム、オープンイノベーションを取り入れたイノベーションマネジメントと

     それを支援する企業インフラ -」

 

講演者:㈱エクサ ビジネスバリュー推進室、東京大学大学院工学研究科・非常勤講師  

    江口 隆夫 氏

内容紹介:

 NRIや日本IBM等において、製造業を中心にIT戦略・業務改革構想フェーズの実施支援、特に製品開発領域の業務改革・システム化構想等の実務に携わっていた講師から、まず、日本企業のイノベーションの現状と課題をお話頂きます。

 

 そのうえで新世代のイノベーションモデル(エコシステム、オープンイノベーション、プラットフォーム等)とは何かを解説していただき、それらを踏まえたイノベーションプロセス、イノベーションプラットフォームの在り方について、主要な文献の考察を展開していただき、参加者の方々と意見交換や考え方の共有化をします。

 産業界・学界において、イノベーション全般に興味のある方や、企業経営におけるイノベーション活動に従事されている方等は、是非ご参加ください。

 

会場:新宿西口 工学院大学21階第5会議室

時 間:2019年7月6日(土)13時30分~16時30分 (受付は13時より)

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